スポンサーサイト
この広告は60日以上更新がないブログに表示されております。
新しい記事を書くことで広告を消すことができます。
| スポンサードリンク | | - | - |
Entry: main  << >>
湯島の老舗おでん「多古久」さんは、デートスポットだった。
湯島というか、上野界隈ではもっとも有名なおでん屋さんが、老舗の「多古久」さんである。
というか、東京でももっとも有名なおでん屋さんのひとつである、と言える。
ただこちらも、典型的な江戸おでんの流儀なので、ここ何十年かの東京でのトレンドである、薄色出汁のおでんとは異なり、まあ好き嫌いは分かれやすいところではあるのだろう。
玄関の風格とか、お店の中のカウンターの雰囲気とかは言うことない。
今回、本当に久し振りに訪問してみて、老女将の変わらぬ風情とか、お店の独特の空気感とか、昔と変わってないなあ、と感慨ひとしおであった。
最近は通り過ぎることが多くなってしまったが、湯島は一時期マイブームで、お気に入りのバー、寿司屋、串焼き屋、スナックなど、何軒ものお気に入りのお店を徘徊していた時期もあったんだが、そんな中に、残念ながら「多古久」さんは入っていなかった。別のおでん屋さんに行っていたのだ。

当時はなんとなく敷居が高くて遠慮していたこともあって、数えるほどしか伺ったことがなかったのだが、今考えるともったいないことをしたもんだ。
で、今回も実は別のお店に行こうと、ふらっと湯島に来たのだが、あいにくそのお店が満席で、ふと思いついて、伺ってみた。

奥に向かって伸びる14席のL字型カウンターはあらかた埋まっているが、鍋前の角席がいい具合に空いている。
ベストポジションだ。
何と言っても、このお店で、注目すべきは、おでん鍋なんだ。
赤銅色が美しい円形の鍋で、店名が浮き彫りになり、その左右にはひさごの模様が抜かれている。脇には燗付け用の銅壺があしらわれて、風格があがっている。
古いものだと思うが、多分営業時間終了後には、たねと出汁をあげてから、しっかり磨きをかけているんだろう。ぴかぴかと美しく光っている。
ただ、思い返してみると、こちらに伺ったときは、大概鍋前に座っていたような気がする。運がいいということなのか・・・
いや、解った。
鍋前の席を、カップルのお客さんが避けるためなんだ、きっと。
たしかに、ただでさえ鍋のところには、店中のお客さんの視線が集まる。さらに、このお店、鍋が設置されるカウンターの角のところが、引き戸を開けてお店にはいったすぐの場所なんだ。これは、たしかに女性連れでは落ち着かない。それで皆、長短両辺の奥の方から陣取る、という寸法なんだろう。
よく見ると、今回もカウンターに座っているのは、すべて2人連れの、カップルばかりではないか。
それもいわゆる同伴のお客は一組もなく、恋人どうしとか、夫婦とか、会社の上司と部下とか、全部そういうお客さんで、ほぼ埋まっている。もちろん奥の方まで確認しに行った訳じゃないが。
今まで気にしていなかったが、いつも私は、カップルの気のおけないデートに闖入する、野暮なおじさんだったということなのか・・・

テーブル席も、ひとがはいって埋まっている。こちらは会社の同僚らしきグループで、なかなか賑やかに盛り上がっている。
カウンター席=カップルズシートの空気感がなごやかで、老舗といわれるお店にありがちな堅苦しさがあまりない、この独特の雰囲気は、悪くない。昔はなんで、このお店に敷居の高さを感じていたんだろう。若かったということか。

さて、おでんを頂こう。
おでん以外にも一品料理が何品かあって、カウンター上に貼り出されているが、こういうタイプのお店でおでん以外の注文をすると、まず間違いなくお勘定に跳ね返るものだ。
ちなみに、おでんの品書きはなく、一品料理も貼り紙の表示はあっても料金は書かれていない。
最初にお通しとして、豆腐のはいったすまし汁が出てくる。
すかさず、酒を2合徳利でお願いする。
周りのカップルも皆、日本酒を2合徳利で飲んでいる模様。いいねえ、燗酒をやるカップル。
この徳利が、肩がうんとなだらかななで肩で、猪口ともどもに美しい。
鍋を覗き、鍋前に陣取る老女将にたねを訊ねながら、おでんは、豆腐、つみれ、とりのがんも、かきをお願いする。鍋を覗きながら、がんもがないじゃないか、と思ってたんだが、そうだ忘れてた、ここのがんもは棒状につくられているんだ。このとりのがんも、中にあんのように鳥の挽肉がはいっているものなんだが、意外とありそうで見ないものだ。
老女将がいい味を出している。
おでんを取る箸使いが危なっかしくて、玉子とか豆腐とかを摘むのにすごく苦労させてしまい、こちらも、上手く取れ〜、持ち上げろ〜・・・ と、UFOキャッチャーの前で人がアーム操作しているのを覗いているような感覚になって、見ているこちらの方が力が入ってしまうが、手間どりつつも、なんとか老女将は無事おでんを全部、取り上げ成功。オタマ使えば簡単なのに、やはりプロの意地として、そういうことはしないんだろうな。

おでん鍋も、酒器も美しく、店内の雰囲気も素晴らしいのだが、おでん皿だけは、私はいただけない。小振りな土鍋がおでん皿として使われるんだが、たしかに底が深いから出汁もいっぱい入るし、いっぺんに盛り込めるおでんの品数も多くて便利、さらには鍋の耳がついているので持ちやすい、と実用性は非常に優れているのだが、どうもあまり雰囲気のあるものではない。多少不便でも浅目の中皿を使って欲しいと思うのはぜいたくか。

豆腐、つみれを食べてみてよく判るが、ここのおでんは、濃口醤油で色濃く仕上げる江戸おでんではあるが、お多幸系のような甘さはあまり感じない。
かと言って、呑喜のような醤油のアタックの強さもなく、よく言えば誰にも食べやすい、ひっくり返していえば、江戸おでんらしい強さに欠ける、そんな味に感じる。
といいつつ食べた、牡蠣が美味。ねぎま(葱鮪)のように牡蠣と葱を交互に串に刺して煮たものなんだが、出汁と牡蠣の身がよく合う。



追加で、玉子、スジ、じゃがいもを貰う。
玉子とじゃがいもは、まったく崩れなく、味もよく染みている。
スジが骨を感じない弱い食感で、ゆるめの蒲鉾を煮たものみたいでちょっと不満。


カップル率100%のカウンターで長居はし辛いし、サッと切り上げて江戸っ子の気風を見せてやろう、とお勘定をお願いして席を立つ。江戸っ子じゃないけど。

お代の方は、3400円であった。高級おでん系に属するお店とは思うが、こうやって酒を2合にとどめ、おでんだけ食べている分にはそんなにびっくりする値段には、めったになるもんじゃない。というか、おでんだって、牡蠣ととりのがんも以外は、5品ともスタンダードだし、値が張るようには食べていない。
今度はちょっと女の子でも誘って来るかな。そうなると、カウンターも鍋前は避けて奥の方に座り、一品料理も刺身かなんかいろいろ注文して、いい値段の客になってしまうのだろうな。


| izakayawalker | 10:10 | comments(0) | trackbacks(1) |
Comment








Trackback
-
管理者の承認待ちトラックバックです。
- | at: 2009/03/06 2:50 AM

Calendar

 123456
78910111213
14151617181920
21222324252627
28      
<< February 2010 >>

Sponsored Links

Profile

Recommend

Search

Entry

Comment

Trackback

Archives

Category

Link

Feed

Others

無料ブログ作成サービス JUGEM

Mobile

qrcode